私が昨年1年間追跡したスズメの親子。現在もその子供と考える個体が庭に来ています。実は親鳥は昨年秋ごろ、梅雨が終わり子育てが終わるとほぼ同時に父親と母親が姿を消しました。

今回は、去年いつ親鳥が姿を消したのか、その後どうなったのかについて記録を残しておこうと思います。

私が観察したスズメの親(高い確率でオス)は2019年の冬前から庭に1羽で来るようになり、おやつ感覚で与えた少ないエサを食べていました。そして2020年春。ある日、パートナーを見つけそれからは仲良く2羽でエサを食べるはじめ、他の仲間も2羽程度増え、多くても5.6羽程度が毎朝欠かさず餌場にやってくるようになりました。

調査した親鳥は最初に来たオススズメとそのパートナーのメスです。スズメは見た目や鳴き声では見分けることが難しいのですが、このパートナーのメスは左足中指の先端が欠損しており、障害を抱えた個体でした。とは言え何か不自由を感じることはなく2020年の梅雨が終わる頃、つまり子育てが終わる頃まで一生懸命子育てを行っていました。

このような特長がある個体追跡することができたのですが、冒頭紹介したようにこのペアの親スズメは2021年2月時点で既に庭には来ていません。ある日を境に全く来なくなりました。
ちなみにオスのスズメは、当時鳴き声とほっぺたの黒模様、異常なほど人懐っこい仕草で把握しており、ほぼ100%個体を肉眼でも認識することができていました。しかし世代交代や複数のスズメが来たことで2020年末時点ではよくわからない状態になっていたのですが、特に人懐っこかった雄スズメについてももう庭には来ていないことはほぼ間違いないと考えています。


前置きが長くなりましたがどのような経緯で親鳥がいなくなったのか記録しておきます。
2020725
こちらは2020年7月12日に撮影した親子です。左が親鳥(推定メス)で左の中指が欠損しています。子スズメを連れてきてから8日目(巣立ちから推定8日目)です。

7月19日
こちらは2020年7月19日に撮影したもので子スズメを連れてきてから15日目の様子です。

7月19日_1
同じ2020年7月19日撮影したもの。この子スズメは食欲が旺盛で9日目の時点で既に自分で食べるようになりました。13日目の時点では口移しでもらっていたのですが、14日目の時点で一人でも食べ始めたものの、親鳥も含め「自分の分を食べるな」と言わんばかりに攻撃するような動作が始まりました。
この『相手を攻撃する』ような態度は大人になり仲間を作った2020年の12月末ごろまで一緒にた仲間に対しても行っていました。

問題はこの頃を最後に左足の指がない親鳥の姿はほぼ見なくなったことです。私が撮影した写真で次に姿が確認できたのは上の写真から2日後の2020年7月21日です。つまりこの時点で子スズメは独り立ちのような状態になりました。

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2020年7月23日撮影した写真です。なんと独り立ちした子スズメが別の親子に『ついて回る』…ではないのですが、部分的に一緒に行動するような様子を見せていました。つまり独り立ちしたスズメが他の親子の輪に入ることがあるということです。

ただし、この親が面倒を見るのは自分の子だけで、口移しでエサをやるなどの世話をするような行動は全く確認出来ませんでした。

10月20
足が欠損した親鳥(推定メス)はいったいどこに行ったのか。次にカメラで確認できたのはそれから3ヶ月後の2020年10月20日です。8月、9月、10月は天候が悪く毎日撮影は行わず、ただエサを食べるスズメを見ては肉眼で個体を確認する日も多くなっていました。しかし、10月19日に明らかに他の個体とは異なる人懐っこいスズメが突然現れ、次の日撮影したものがこちらです。

この日を最後に2021年2月時点でも親スズメは撮影できていません。オスの親鳥も2020年7月時点で姿を消しており撮影は出来ていません。


記録は以上なのですが、このように親鳥がその年の最後の子育てが終わるとほぼ同時に姿を消すことが確認できました。理由は定かではないものの、仮説としては冬を越せるように少しでもエサに恵まれた環境を自身の子に譲った可能性はゼロではないと思います。