今回お話するのは巣立ち当日の子スズメがいったいどのくらいの飛行能力があるのかという疑問です。これに合わせて春~夏の終わりに多くなる地面で動けなくなっている子スズメの対応についてです。

まず巣立ち直後、巣立ち当日の子スズメが一体どのくらい飛行能力があるのか私が観察した範囲で紹介していきます。

また子スズメが地面に落ちていたりした場合、どのように保護すれば良いのか書き残しておこうと思います。

まず、どのくらい正確に巣立ち直後を見極めているのか先に紹介すると、自宅の近くの民家で子スズメを育てているカップルがおり(正しくは自宅の庭にエサを食べに来る親ですが)、そのカップが行き来する巣から子スズメの鳴き声が聞こえ始め、その11日後の巣立った夕方に撮影・観察したケースになります。

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こちらの写真は2020年7月5日午後5時に撮影したものです。巣立ち当日の写真になります。

なんと、この子スズメは巣から道路を挟み直線距離で40mほど離れた向かいの2階建て家屋の屋上にいました。電線の一番低い線(電話線?)に移動するなど休憩を取りながらあちこち移動していました。

つまり、生まれたての子スズメであっても私達が想像する以上に飛行能力が備わっていることが確認できました。ただ、これは個体差がかなりあると考えられるのですが、少なくともほとんど飛べない状態で巣立たせるようなことはしないようです。

私達人間の認識としては「巣立ったばかりの子スズメ=人間の赤ちゃん」と判断してしまいますが、これは誤りで「巣立ったばかりの子スズメ=小学校に入学した子」と思えばその行動力も納得できます。

動かない子スズメを見かけたり保護したら

本題はここからになるのですが、実はこの子スズメが心配でその後もしばらく観察していたのですが、あちこち飛び回っているのは良かったのですが隣の家の外壁にぶつかり1m下の地面に落下する様子も目撃しています。この様子からも飛行能力は高いもののうまく飛べない・制御できないことは間違いないようです。

この子スズメは2021年3月現在も元気に自宅の庭にまでエサを食べに来ているのですが、もしあなたが羽が生え揃った、明らかに巣立った後の子スズメを拾った場合どうするべきなのか書き記しておこうと思います。

想像するにその子スズメを目撃したのは自宅周辺の壁の近く、家の外壁や窓など、その周辺ではないのでしょうか。これは子スズメが壁などにぶつかって脳震盪を起こしているだけに過ぎない可能性が高いです。

▼脳震盪起こしたメジロの例、触っても殆ど動かない場合は脳震盪の可能性が高い。


もちろん怪我の有無は調べたほうがよいのですが、見た感じ怪我がなさそうであれば不要に子スズメを移動させたりせず人や車、野生動物の被害に合わないよう、安全なところに置いて様子を見てください。

子スズメの近くには必ず親鳥がいます。人間顔負けの過保護な親スズメが子スズメを見捨てるようなことはこれまでの経験からまずありません。親鳥は必ず電線や家の雨樋、庭木など10m以内にはいると思います。あなたが過保護になりすぎることはなく、子スズメが落ちていたその近くの安全なところに置いておけば元気を取り戻し親鳥を呼びどこかに飛んでいくはずです。

ただ、これはあくまで脳震盪を起こし触ってもほとんど動かない、フラフラしているような場合です。飛び跳ね歩行でき元気があるにも関わらず飛び立つことをしないのはまだ完全に巣立ちを迎える前に巣から落下してしまった可能性が高いと考えられます。

この場合はどうすればいいのでしょうか。判断は難しいのですが、「もう助からない」という覚悟で動物病院に連れていくことを前提でまずは行動したほうがよいと思います。私も知らなかったのですがスズメなど一般的な野鳥であれば動物病院の診療費などは基本的には無料です。お金の心配があるのであれば診療費は必要なの事前に問い合わせをしたほうがよいと思います。


そしてもう一つ案があります。オススメできませんが致命的な怪我をしていない場合に使える方法で、小さい鳥かごを買ってきてそこの中に子スズメを入れておくと、かご越しに親鳥がエサを与え育てに来る可能性があります(来ないのであればあなたが親になり育てる必要がでてきます)。その状態で数日間(羽が生え揃っている状態では予想では2~7日ほど)保護すると飛べる状態まで親により成長させることができると思います。
モズやカラス、猫などの野生動物に襲われないようにするための鳥かご(様々なものを代用可)を用意してほしいのですが、カゴを買いに行くときも親鳥が保護した子スズメの位置と場所を把握できるようにしておくことを強くオススメします。

ただ、夜間の温度管理に失敗し死亡してしまう可能性も高く、やはり動物病院にお願いしたほうが最善と考えられます。

どうしても心配になり人間の基準でいろいろと判断してしまう方も多いと思うのですが、野生動物は私が想像する以上に過酷な環境で生きています。残念ながら生きる個体よりも死んでしまう個体のほうがむしろ多い世界です。
スズメのカップルは1年に3回程度、毎回1羽から2羽程度育てています。これも人間とは明らかに異なる繁殖能力です。深く悲しむことはなく、次の機会にスズメたちがあなたの周辺でより良い環境で暮らせるようしてあげればきっと喜ぶと思います。